売る、選ぶ、買う、暮らす。


セイウチはユニクロで買いものするのを嫌がる
代表のひとが好きでないから、らしい
「そうですよねぇ」と多少引っかかりを感じながらも
わたしはインナーやTシャツなどを買う

某環境保護団体に
資金援助をしている会社のものを
買いたくないと話したことがあった
どこが援助してるのか確かなことはわからないし
こんなこと言ってたらそのうち
買うものなくなってしまうよー、と
半分真面目に、笑いながら喋った

グローバルな人材、グローバルな社会とか
わたし達は全くついて行ってない
そこには魅力や、自分を含めた未来を感じない
さまざまなニュースを聞いていると
たまにセイウチが嫌になって
「あーもう日本イヤ、出て行きたい」
と口にするので、気持ちはわかるけれど
「出てどこに行くのん」と返す

嫌な話ばかり聞こえて来るけど、
何やかんや言って日本は住みやすい
そこいらで発砲して人が死んでいないし
皆が文字を読み書き出来ているし
健康保険もあり、食べものや建物の
品質管理もしっかりとしているらしい
四季があって、狭いと言っても
それぞれの地域の特色と文化もある
それでも、だからこそ少しずつ
じわじわと増していく
根元的な息苦しさと住みにくい感じが
余計に辛くなって来てるんだろう

自分たちのお金のやりくりと
身を置くところの経済活動のすり合せに
いつも少しだけ疲れている
それはいつも矛盾をはらんでいるからだと思う

生活するために働いたこの賃金の由来や
好んでいるコーヒーや紅茶やバナナが
この価格で提供されている理由や
複雑になって言い出したらきりがない

自分のやっている仕事の、
これは必要なことなのかと
年を経るごとに逡巡することが多くなって
その後、考えないようにすることが増えていって
ひとの役に立つ仕事、に
ひとが向かいたがるのがよくわかるよ
子どもの頃よりよくわかるようになった


日本製だから全て良し、
中国製だから全てダメというのでもない
安さを求めて競争するあまり
よくわからないことになっているニュースを見ると
いつもより増して
適正価格でものを売り買いすることを強く考える
そしてそれはシンプルで難しい

わたしは小売りの商売人の家に生まれた
商店や小さなスーパーだけで
住民の売り買いが成立していた田舎の狭い町に
大型の複合店舗が初めて出店するという
戦々恐々の事態を目の当たりにして来たこともあり
思い切った安売りが出来る、何でも揃う大型店舗に
いまだにちょっと怖さを覚えている
そういうところで自分も買いものをするけど
あんまり大きくなったものは怖い
便利だけどその分嗅覚とバランス感覚が鈍くなり
不自然な激安や無料のものに飛びついてしまう
ひとの心理というのも、わかるけれども、怖い


さあ、どうやったら心身健やかに
自分たちの力を元に生きていけるものかねえと
ときどき話しているけれど
何か、一方に飲み込まれてしまっていないか
互いの確認のようなものでもある
心身健やかに自分たちの力で、ということが
途方もないことにも思えてしまうこともある
それもやはり、シンプルで難しいことになった

何の引っかかりもなく、矛盾もなく
ものを売り買いして生活することは
こんなに難しくなるとは思わなかった
でも、こうしていつも
矛盾や板挟みにあえぐ気持ちを
感じながら暮らしていくことを続けたいとも思う
そういうことを引き受けていきたいと思う
たまには真面目になったりしながら
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by electric-prophet | 2014-05-14 13:55 | 日々好日 | Comments(0)

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