たまには作品を。


「Veranda.」         高城青


ベランダでその子らは育っていて

水が乾けば萎み
与えればぴんと立って
もの言わぬその驚くべき健気さ
対して
2リットルの水振り回すペットボトルの

うちには真似、でけへんわ

1秒1秒そばには居ないので
生長の過程は知りませんけど
夕方
朝にはなかった蔓が柱に巻き付いていたりする
己の躯を起こす手の代わりに
おるおるおくると
爪の美しいおんなの手のようで
少しいやらしい

今日もしやと思った葉はやはり
虫に喰われていて
白い斑点のようなものは
病気か
年若いきみらは
すぐに何かに侵されかけるよ
カナブンと蜘蛛の姿は見えたものの
肝腎の犯人と思しきものの姿はない

スリッパで
踏んで潰した蚊と比べれば
きみらへの手のかけようの違いは甚だしく
それでもいのちは平等なのよって

うちには説明、でけへんわ

すくすくという半ば無責任な音でなく
脈々という単純な液体の流れでもって
ひたすら育ったきみらをわたしはもぐよ

自分が喰うものを育てるということ
狭いベランダの中の
浅い容器の中のいのちですら
育て殺して喰うということを
日当たりの良い気持ちばかりではなく
考えている
いのちをもらうと言えば美しいが

この子、食べ物やったろうか

行き着くところもない考えはやがて
ジョウロ握る我が身に蔓を伸ばし
わたし、食べ物やったろうか
あのひと、食べ物やったろうかって
今まで何度見返りを求めてきたかもわかりませんけど
喰ったし 喰われた
ベランダ

喰うためにせっせときみらを育てている








+++++


詩学9月号の投稿欄で次点だったらしいので
(まだ手元にありません。犬飼さん情報)
久しぶりに載せてみました

今月から、犬飼愛生の詩誌評が
詩学に連載開始(1年間の予定)されるんですってよ奥さん!!
読まなきゃざます!!
Commented by drawn_game at 2007-08-29 19:27
詩の批評はまだだ。詩誌評だ。いずれ詩を批評したい。野望。
タイトル「ベランダでその子らは育っていて」にすればよいのに。
絶対そっちのがいいよ。
Commented by drawn_game at 2007-08-29 19:33
あ、読ませてくれてありがとう。
いずれのるよ。
今月は長い作品が好まれた模様。惜しかったな。
いずれほんまに。
Commented by electric-prophet at 2007-08-29 23:40
どろんちゃん
失礼しました〜直しておいたわ!>詩批評
でもあなたの批評は面白いはずだからこの先やって下さい

読んでくれてありがとう
ベランダは先にタイトルが決まったような気がする
・・・・あー、後やったかなあ
作ってたときのこと全然覚えてないねん
確かに一文目をタイトルに持ってくるのもいいな
詩をつくるときはだいたい画から、というのが多い気がするよ
先ず頭に映像ありきで、そのイメージでタイトル決めてた
批評って大事やわ
載ると批評してもらえるから嬉しい

>いずれのるよ。
「書け」ってことやな 笑
ありがとね

*青*
by electric-prophet | 2007-08-29 10:29 | works. | Comments(3)

______________


by electric-prophet
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ASPアクセス解析